2006年10月16日

Pollock-Krasner財団奨学金

1985年の創設以来、Pollock-Krasner Foundationは総額4300万ドルの奨学金を66カ国のアーティストに与え、その活動を支援してきました。2005-2006年度は185人のアーティストへ合計$3,216,400の奨学金を1年間の活動資金として授与しています。そのリストには日本人の名前もあり、21年間続くこのPollock-Krasner財団の奨学金制度がいかに世界的に評価されているものかが理解できます。

Pollock-Krasner FoundationはJackson Pollockの未亡人であり、また、自身もabstractアーティストとして活躍したLee Krasnerの寄付によって始まったものです。その内容は、アーティストが新しい作品を制作するために、その画材、アトリエの家賃、また、個人費用や医療費までもをカバーするもので、アーティストが制作に集中し、プロとして活躍する為の費用を奨学金として授与しています。また、同時に。この奨学金を受賞することでの優れたアーティストとしても評価されることになります。


【応募概要】
Pollock-Krasner Foundationでは年間を通して応募を受け付けていますので、応募期限はありません。この奨学金は国を問わず、絵画、造形、版画など紙を媒体として活動しているアーティストが対象となります。応募者は純粋にアーティストとしての活動資金を必要としている人を対象としており、その期間は1年間となります。奨学金は制作の関連する費用、画材、アトリエの家賃、また、個人費用や医療費まで支給しますが、その金額や期間はアーティスト個人の状況によって異なります。


【奨学金利用規制】
この奨学金は商業アーティスト、写真、映像、パフォーマンスアーティストまたはこれらに順ずるアーティストは対象としていません。また、学究者も対象としていません。

Pollock-Krasner Foundationは過去の債務、弁護士・法廷費用、土地の購入、引越し代金、設備費用、委託料や他人からの依頼による制作などの支払いに対して支給されるものではありません。また、若干の例外を除いては、旅行費用に対しても支払いは致しません。


【選考方法】
選考委員会から選ばれた、各分野の著名な審査員による選考を行います。アーティストは、カバーレター、申込書と現作品のスライドを提出します。応募資格を満たし、選考書類と作品を提出した応募者は全て選考の対象となります。その後の手順については、Pollock-Krasner Foundationから直接指示があります。審査期間中に財務資料の提示を求められる場合があります。


【再申請手続】
応募者は合否に関わらず、何度でも奨学金に申請できます。ただし、提出する作品のスライドは以前提出されたものではなく、新しいもののみ受付ます。緊急の事情を除き、再申請には12ヶ月の待機期間が必要です。応募者が最期に応募してから12ヵ月後、または、奨学生は最期の奨学金の支給から12ヵ月後から申請が可能となります。


【申請方法】
■カバーレター
■英文履歴書
■申込願書
(願書のダウンロードはこのページ の左側の"DOWNLOAD AN APPLICATION"から行ってください)
■現在の作品のスライド
*写真、CD-ROM等は受け付けません。
@回転スライドに用いられる5.1X5.1cmの35mmスライドを10枚
A各スライドには名前、制作年、作品名、サイズ、手法を記載する。
Bスライドの上下、左右等の記載
C10枚のスライドのリストとその詳細を記載した用紙

応募者も多く競争も激しいので、クオリティの高い状態のスライドを送ってください。また、10枚のスライドの中に過去の作品を含め、最新の作品を強調することをお勧めします。

上記を揃えて、

The Pollock-Krasner Foundation,Inc.
863 Park Avenue
New York, New York 10021

へ郵送してください。その際には必ず郵送者の住所を記載するようにしてください。記載のない郵送物は応募作品として受理致しません。

The Pollock-Krasner Foundationサイト



今まで紹介してきたコンペ、奨学金としては一番条件のよいものだと思います。過去の奨学金給与者の中には日本人が何人も含まれていました。申し込む英文書類もさほど多くありませんし、準備するものスライドのみ。また、参加費用もかかりません。しっかりとした財団の素晴らしいこの機会を是非利用してください。
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2006年09月13日

法改正によるアメリカの美術館の憂鬱

今アメリカでは、国内の有名な美術館のディレクター達が、8月に承認された連邦税改正に反対するためのロビー活動に動き回っている。今回の法改正が施行されれば、新しくアートを購入するにあたって大きな損害を与えると訴えている。ブッシュ大統領が8月17日に署名した年金保護条例の改正案では、Fractional giving(分留贈与)と呼ばれる、コレクターが美術館に寄贈する際に最も普及している方法に大きな影響を与えることとなる。現行の法のもとでは、このFractional givingという方法を利用すれば、「寄贈」という形をとりながらも、実際は寄贈者の所有物という扱いが可能である。しかし、実際寄贈者のなかには巨額の納税控除を受けなたにも関わらず、実際には作品を美術館に寄贈ぜずに、自宅で楽しんでいたというケースもあった。しかし、今回の法改正でもうそのようなこともできなくなる。

Fractional givingでは、寄贈者がアートそのものの価値の何パーセントかを美術館やチャリティーに寄付できる仕組みになっている。例えば、アートそのものの価値の20%を美術館に寄付すれば、寄贈者はそれと同じ額の税金の控除を受けることができる。それと同時に、美術館はそのアートの20%または、362日の20%である73日分の所有権を有することとなる。しかし現実には、美術館は展覧会などで必要な時以外はその権利をほとんど放棄した状態で、実際は寄贈者自身が保有している場合が多い。また、Fractional givingの方法をとることで寄贈者は引き続き長期に渡り税金の控除を受けることができる。しかし美術館にとってもそのメリットは大きい。美術館は、Fractional givingが終了した時点で、そのアート作品が最終的には100%美術館の所有となる。

現在のアメリカの美術館ではその作品の80%が寄付によって補われている。しかし、その中でFractional givingで寄贈されるのはほんの10%である。しかし、その10%のFractional givingの中でとても高価で歴史的にも価値のある作品が寄贈されている。実際、Museum of Modern Artにあるセザンヌの"Boy with a Red Vest"、Houston Museum of Artにあるマグリットの"Kiss"、Metropolitan Museum のAnnenberg Collectionに至っては印象派、後期印象派の53の作品がFractional givingという形をとって寄贈されている。

MoMAのディレクターであるGlenn Lowryは、今回の法改正がこのまま施行されてしまえば、今後の美術館への寄付が激減し危機的状況の陥るとみている。「私たちのように私的慈善に頼っている体制の中では、市場で売買するよりも寄付という方法が最も有利なメカニズムだと人々に促すことがとても重要なのです。」と述べている。「寄付することによる利点が減ってこれば、その分寄付する人も減ってくる。もしくは、寄付出来なくなる可能性もある。」「いくら資産家と言えども、何億ドルとする絵画を寄付するとなれば、その金額は彼等の資産の大きな部分を占めることとなる。」

上院財政委員会の首席弁護士であるDean Zerbeは、以前のシステムは不正行為がはびこっていたと述べる。「大資産家は、寄付により巨額な控除を受けた上に、そのアートを自宅に保持していました。そして公共の目にさらされるのは何十年も後のこと、もしくは、全く目にさらされる可能性がない場合もあるのです。」彼は、今回の法改正は極めて常識的範囲ないの変更であると述べています。

しかしMS.Lowryを始めとする美術館関係者は、そのような不正は行われてはなく、また、そのような不正が行われているというのは単なる妄想であり、ただ、2-3件のそのような例で全てを不正と決め付けるような行為はとても理解できないと述べています。

The Association of American Art Museumのディレクター達は、現在上院財政委員会に法改正を訴えるロビー活動を行っており、最終的に妥協案が見つかればと願っています。しかし、議員や会計担当者は全てが理路整然と物事が進むことを好み、もし、控除を受を受けたいのならば、公共が速やかにその利益を受けるべきだと考える。その部分で、議員と美術館関係者の間には大きなギャップが存在するようです。

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2006年09月01日

Brett Whiteley

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Brett Whiteleyは現在オーストラリアでもっとも尊敬されるアーティストの1人です。。彼はその叙情的表現主義と自由な表現方法で、オーストラリアのavant-grade movementの第一人者として知られています。数々の賞を受賞し、また、Tate Gallery(London), National Gallery of Australia(Canberra), Museum of Modern Art(NY)などの多くの著名なギャラリーにその作品が展示されています。

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1939年シドニーに生まれ、7歳で既に最初のアートコンペで賞を獲得します。その後も順調にアーティストとしてのキャリアを重ねていきます。21歳の時彼はオーストラリアを後にし、ロンドンに活動の場を移します。1962年の第2回パリ青年ビエンナーレ展(International Biennale for Young Artists)でグランプリを受賞してから、彼の名前は全世界に広まることとなります。ちなみに、1969年第6回パリ青年ビエンナーレ展(パリ)版画部門では横尾忠則さんが「責場」でグランプリを受賞しています。

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この時期、彼の個展がオースラリア、フランス、ベルギー、イタリアなど、世界中で開催されていました。Whiteleyの絵は海外滞在中に急激な展開を見せることが多く、抽象的・流動的なスタイルが次第に描写的な手法に変化したり、sexやviolenceなイメージに結びつく絵を描いたりしています。また、ファイバーガラスや写真などの素材とのコラージュなどにも挑戦しています。

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70年の始め、WhiteleyはシドニーPotts Pointのアート集団The Yellow Houseの活動の中心また、avant-grade movementの中心として脚光を浴び、アーティストとして順調な活躍を見せていました。1974年ワシントンで開かれた世界万博でも彼の個展が開かれましたが、その時期のインタビューでWhiteleyはアルコール依存から薬物依存へと移行したと述べています。

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しかし、その後も70年代から80年代にかけて様々な賞を受賞したWhiteleyは1978年にはオーストラリア人アーティストとしては初めてのSilman and Wynne art Prizes Archibald賞(オーストラリア国内でもっとも重要かつ名誉ある賞となっている)を受賞。また、1984年にも2度目の受賞を果たしています。晩年のWhiteleyはバリ、東京、イギリス、パリなど世界中を旅し1992年NSWのアパートでヘロインオーバードーズのため死亡しているのが発見されました。

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そんなWhiteleyの作品が8月29日、シドニーのSotheby'sのオークションで$2.04mで競り落とされ、オーストラリアの最高落札額を更新しました。しかし、その落札された絵の評価については様々な意見があるようで、「『Frangipani and Hummingbird』はWhiteleyの特徴である、青、花、鳥などの要素を取り入れてはいるが、作品としての完成度としてはかなり低い」と述べるものもいるようです。また、それを裏付けるように、Whiteleyは彼の最期の10年間に、病的ともいえるほどのコレクターが希望する商業画ばかりを描いており、その評価も様々で、今回の落札に関してオーストラリアでは多くの議論が行われているようです。

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かれの作品を縮小したBrett Whiteley Studio の入り口のドア
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2006年08月28日

Upstream People Galleryのコンペに橋本タカキさんが入選しました!

嬉しいニュースが届きました。
写真家の橋本タカキさんが、このart news from overseasのサイトを見て応募したオンライン公募展 【6th Annual Summer All Media Juried Online International Art Exhibition】に見事入選されました!

そして下記のメールを届きました。


はじめまして、フォトグラファーの橋本タカキと申します。
Artnewsのブログ、いつも拝見させていただいております。

以前ご紹介していただいたUpstream People Galleryのコンペに応募したところセ
レクトしていただきました。こと細かくブログで説明していただき大変助かりました、ありがとうございます。

これからもこういった公募情報を紹介いただけると、多くの日本人作家たちの世
界に向けた気づきやきっかけになると思いますので、いろいろ大変かとは思い
ますが今後とも続けていってください。


・・・おっしゃるとおりインターネットの普及により、海外の公募展が国内の
公募展と何ら変わらないという事体験出来ました。
さらに国内と海外の作品に対する評価の違いも多く感じました。

これからも、もっと日本の外に目を向けて活動していきたいと思います。



ありがとうございます。
このようなメールを頂くと本当に続けていて良かったと思います。
これからもみなさんのお役に立てるような情報をじゃんじゃん(時間の許す限り・・・)掲載していきますので、みなさんもじゃんじゃん活用してくださいね。

橋本タカキさんのBLOGはこちら

橋本さんの入賞作品はこちら

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2006年08月21日

The Art Interview 6th International Online Artist Competition

The Art Interview 6th International Online Artist Competition は年に4度開催されるオンラインの公募展で、絵画、彫刻などの全てのメディアで活躍する16歳以上の世界中のアーティストを対象に行われています。入賞者にはヨーロッパのギャラリーでの個展と、賞金17,000ユーロ(約260万円)相当が授与され、また、1位を獲得したアーティストには、Art Interview Online Magazineでの単独インタビューが掲載されます。

この公募展は完全にオンライン(インターネット)上で行われるので、作品や作品のスライドなどを郵送する必要は全くありません。入賞者は国際的な注目を集めると共に、Art Interview Online Magazineに参加している著名なアーティストやギャラリスト、学芸員などからインタビューを受ける機会が得られます。

【期限】 
2006年9月31日

【参加資格】
16歳以上ならだれでも参加可能

【参加費用】
25ユーロの参加費用を納めると、年に4度開催されるThe Art Interview International Online Artist Competition に年間と通して参加可能。1回のエントリーにつき、3作品提出可能。それ以上の作品を提出したい人は、6,9,12とエントリー数を増やして作品を提出する。支払い方法はPaypalのみ受付可能。(支払いの詳細は下記Paypalで)

【エントリー方法】
まず、こちら のサイトへ移動し、記載されている規約に同意した上で全ての項目に情報を記入してください。

上から

@名
A性
Bメールアドレス
Cメールアドレス(確認)
D誕生日
E郵便番号(5桁しか入力できません)
F国の選択(JAPANを選択)
G現在の職業の選択
H学歴・展歴・受賞歴等を含む経歴の記載
I200文字以内で、アーティストとしての豊富を述べる

最後の□部分には、入賞結果をメールで送るかどうかの意思を確認しています。結果をメールで知りたい方は、□部分にクリックを入れてください。

最後にSubmit Applicationのボタンを押して完了です。
上記の全てが必須項目です。(郵便番号に関しても、最初の5桁のみ入力してください)

【Paypal】
上記のSubmit Applicationボタンを押すと、Paypalの支払い画面に移ります。既にPaypalのアカウントを持っているかたは、Log Inボタンを押してください。それ以外の方は、Paypalのアカウントを同画面で作成してください。

上から

@国
A名
B性
C支払いカード名称選択(VISA,MASTER等)*JCBはありません
Dカード番号
E有効期限
FG住所
H市
I州(選択せずともOK)
J郵便番号
K電話番号

Lメールアドレス
 
MPaypalのパスワードを入力してください
(パスワードは最低でも8アルファベットを含めて下さい)
N再度、Paypalのパスワードを入力してください。
O下記に見える数字とアルファベットのコードを同じ用に記入してください。

最後の右下のContinueボタンをクリックすれば完了です。

その後の画面で、提出作品画像の添付方法等が表示されますので、指示に従って画像添付を行ってください。


16歳以上なら誰でも参加可能で、比較的賞金も大きく、しっかりした出版元の公募展なので是非参加してみて下さい。面倒な項目として、下の2項目が挙げられますが、これも一度英文で作成すれば今後使いまわしが聞くものです。少々手間はかかりますが、それで海外への扉が開けるならば・・・簡単ですよね?

■学歴・展歴・受賞歴等を含む経歴の記載
(文法などは関係ありません。ただ、学校名、会社名、受賞作品名と展覧会名などを羅列するだけです。学歴では学士号の表記にだけ気をつけてください)
■200文字以内で、アーティストとしての豊富を述べる
(こちらも200文字以内なので、簡単なことしか述べられません。逆に短い文章のなかで、強烈にアピールすることが大切かも知れません)
posted by takita at 22:06| Comment(4) | TrackBack(0) | competition | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月13日

Christopher Polentz

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Christopher Polentzは20年以上もの間、公民館や大学などを中心に様々な生徒に絵画を教えてきました。彼の名前で検索していると、大学教授の評価サイトの中に彼の名前発見。中身を良く読んでみると、生徒から大変素晴らしい評価を受けていました。1962年にカリフォルニア生まれ、大学を卒業後、1985年からフリーランスの画家として活躍すると同時に、先生としてのキャリアもしっかり重ねてきました。(実際、様々な生徒のサイトで今回の個展を告知されていました。)


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その歳月の中で、彼は独自のペインティングスタイルを確立。Atlantic Records, Cobra Golf, MGM/UA, Mattel Toys, Las Vegas Flamingo Hiltonなどの一流企業の商業イラストとして採用されています。彼の絵は細かいブラシで、非常に細部にわたり描きあげるという方法で、その細かさは裸眼では確認出来ないほどというから驚きです。また、作品の仕上げとして、それぞれの作品にあったユニークな額を銅や錆付いた金属など利用して自分自身で制作しています。


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Polentzの作品には無垢な温かみを感じると同時に、何か穏やかでありながらも陰りのある作品のまなざしには何か隠された秘密が眠っているような感覚に教われます。3年の歳月を掛けて準備してきた今回の個展の作品には、Polentzが創る独特の空気感を感じることができる作品が12点展示されているそうです。


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【期間】200年8月10日〜10月7日まで
【場所】Distinction Gallery and Artist Studios CA


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2006年08月05日

謎の窃盗団エルミタージュ美術館を襲う!?

ロシアのサンクトペテルブルグにある有名なエルミタージュ美術館で、長年に渡り謎の窃盗団が200以上の品を盗み、その総額は$5mにも上ることが判明した。何年もの歳月を掛けて盗み出したとみられるその年月は、地元警察によると約30年近くといわれており、その手法が話題を呼んでいる。盗まれた品々の中には、宝石や高価なエナメルも含まれていた。窃盗品のほとんどを管理していた学芸員が、調査開始と同時に突然美術館で謎の死を遂げたことにより、エルミタージュ美術館では、美術館職員が窃盗団に含まれていたのではないかとの見解を示している。

世界で最も有名な美術館の一つに入るエルミタージュ美術館では、約250万もの美術品が1000以上の部屋に展示されています。「今回のこの騒動には様々な不思議な要素が含まれていますが、不幸にも、この一連の作業が美術館のスタッフを抜きに行えたとは到底考えられません。」と同美術館の広報は述べています。

今回の問題では美術館職員の間の仕事に対するおそまつな責任感や「重大な道徳的問題」が、根本にあるとみている。展示していない美術品は倉庫に保管されおり、学芸員のMikhail Piotrovsky氏によると、「倉庫に保管されている美術品には保険が掛かっていない。」と述べています。また、AP通信によると、美術館の多くの部屋では空調や警備施設が整っておらず、職員が窓を開けるなどして対応しているとも伝えています。

Rosokhrankultura文化保全協会のBoris Boryaskov会長によると、「我が国の誕生などにに関する重要な資料などが保管庫から消えるのは、決して今回が始めてではありません。」と語っています。エルミタージュ美術館には、1764年からエカテリーナ女帝がコレクションを始めた世界的にも有名な、フランドル派の印象画が含まれています。美術館では、今後は根本的な改革と経営方針の見直しを図ることが、今後のロシアの美術館経営が生き残れるかどうかに大きく影響すると語っています。
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2006年08月03日

Susana Raab

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以前海外のアート関連のサイトを見ていた時に知ったSusana Raab(スサーナ ラーブ)。日本ではまだ知っている人が少ないのか?検索してみても資料がほとんどありません。旅やポートレートをメインに撮っている写真家なのですが、現在取り組んでいるプロジェクト「Consumed: Fast Food in the U.S.」(消費〜ファーストフード大国アメリカ〜)では,現在のアメリカを捉えながらも、ちょっと80年代な色彩のテイストを加えて、現在のことなんだけど、もう既に「過去」といった感じが好きです。また、一瞬の静を捉えた効果的な白の色使いがとても印象的です。

Susana Raabはペルーのリマで生まれ、数カ国の国を経てアメリカへと移り住みました。以前は文学を学んでいた彼女でしたが、Ohaio Universityでは写真を勉強。その後同大学を卒業してフリーランスの写真家となりました。その後、Peace Corpsのメンバーの一員としてモンゴルに移り、それからは活躍の場を現在のワシントンに移しました。

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New York Times、Time Magazine、Newsweekなど数々の表紙を飾り、そのほかにもピューリッツアー賞にノミネートされたり、White House News Photographers Association 2005で受賞するなど、活躍の幅を広げています。

Susana Raabのホームページでは彼女の過去の作品から一連の作品を見ることができます。下手な細工が何も施されていない彼女の作品、一度間近で見てみたいですね。

Susana Raabホームページ
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2006年08月01日

Daniel Hochstein

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米国美術大学についての記事も引き続き続けていきますが、ここらで少々息抜き。海外のアーティスト紹介を始めていきたいと思います。主に、海外のミュージアムで展覧会を開催中であるか開催しているアーティストを中心に紹介していきたいと思うので,皆さんも是非海外に行く機会があれば参考になさってください。

Daniel H. Hochsteinは独学で学んだアーティストで、その作品は絵画、写真、素描、電子媒体などの多岐にわたる。Hochsteinはニューヨーク、Queensで生まれ育った。10代の早い頃からペンとインクでの素描を描きはじめ、現在ではアクリルや油彩、他のメディアと常に変化をとげている。

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Hochsteinは西ヨーロッパと北米を中心に旅を重ねその変化に富んだ人生経験がアーティストとしての創作活動の糧となっている。彼の作品はアメリカ、ドイツ、ロシア、オーストラリアでプライベートコレクションとして収集され、また、画集もThe New York Times, Bostn Globe, Art Business News等の有名な出版社から出版されている。

Daniel H. HochsteinのHP


Hochsteinの一連の作品には油彩、アクリル、チャ−コロール、グラファイトなどで描かれた、リアリスティックやシュールレアリスティックな作品が含まれている。このようなモチーフは、ストレス、孤独、など人間の一瞬の表情を読み取り「言葉では説明できない想いを表現したもの」だと説明している。

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ニューヨークのMontaukで開催される12th Annual Juried Art Showでは彼の個展と同時に、オリジナルの作品が販売される予定。期間は8月19日と20日となっている。詳細はこちら→http://www.montaukmanor.com/events.htm


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2006年07月27日

米国美術大学留学 その2

■専攻
私の通っていた大学では、アートの専攻だけで下記の12種類ありました。アートと音楽に力をいれていた学校だったので、他の総合大学に比べてもかなり数の多いほうです。アートの基礎(歴史・基礎技法・PCなど)までは、全員が同じ科目を学びますが、後半各専門に分かれると各学部ごとに教室が分かれていて、その各スタジオで勉強します。(スタジオの汚さに関しては全世界共通。また、締め切り間際に寝泊りするアーティストの卵たちがうようよ寝泊りしています。)漠然とアートを学びたいと思っている学生は、アートの基礎を学んでいる段階で興味のある授業を受け、その中から後半自分が専門として学びたい学科を選択できます。なので、入学当初から専攻を決める必要が全くありません。

実際私も入学当初はインテリアデザインを学んでいましたが、様々な科目を取得した中で、版画(銅板)と染色に興味を持ち、その2教科を専攻とするダブル専攻にしました。ダブル専攻とは、1専攻で必要とされる単位は約130単位。その中で基礎過程と呼ばれる一般教養の選択授業が約半分。残りの半分がアートならばアートの専門授業ですが、その中でも半分の半分(全体の1/4)はどのアートを専攻したとしても取得しなければならないアートの基礎の授業となります。そのため、残りの1/4が本当に専門を学ぶ授業となるのですが、その1/4の部分だけを私のように、PrintmakinとFibersを取得すれば両方の専門を学んだことなるのです。卒業証書にはBFA(Bachelor of Fine Art)と記載され、その中に何を専門にしたかが記載されます。

●Art History (美術史)
●Ceramics (陶芸)
●Communication Design (コミュニケーションデザイン)
●Drawing and Painting (油彩・水彩)
●Fashion Design (ファッションデザイン)
●Fibers (染色・織物)
●Interior Design(インテリアデザイン)
●Metalsmithing and Jewelry (宝飾)
●Photography (写真)
●Printmaking (版画)
●Sculpture (彫刻)
●Visual Arts Studies (teacher preparation) (視覚伝達)


■単位
卒業するには約130単が必要となります。そのなかの約半数である60単位はアート関連の単位となります。1教科の授業が約3単位。通常1セメスター(1学期)に取れる単位は4-6教科となるので合計12-18単位となります。実際、1学期に無理してたくさんの単位を取得し、夏休みも単位をとれば3年ちょいで卒業することも可能です。ただし、アメリカの授業では詰め込み式の授業で学ぶことは何も無い!と言った風潮が強く、また何か後に社会にでて役に立つことを学んでから卒業したい、という学生が多く、また、ほとんどの学生はバイトとの両立であることから、3年で卒業する学生はほとんどいません。逆に、一度社会にでてから大学に戻ってくる人も多く、仕事、家庭、大学を両立させる為に、無理せず7年かけて大学を卒業した!なんていう人もざらに存在します。

また、専門教科のプロジェクトとなると、実際に企業の雇用担当者が学校にやってきたり、実際就職先として候補となるような企業にお邪魔してその担当者の前で自分の作品をプレゼンテーションします。私の場合、JCPENNYという大手リテーラーの繊維部門担当者の前で、実際自分がデザインしプリントした生地をプレゼンしました。その中で、自分をどのように企業に売り込む課などを学んでいきます。私はダメでしたが、実際そのプロセスの中で作品が買い取られた例もあったようです。
これは、面接の際にも役立ちましたし、そのようなやり取りの中で様々な人とのコネクションが出来てくるので大変有意義なものでした。


■授業内容
各専攻ごとに授業形態はまちまちです。コミュニケーションデザインなどは様々な画像ソフトを学ぶと同時にデザインの勉強もしていきます。プロジェクト単位に課題を納め、その中で、地元企業からの依頼で広告制作などを請け負い生徒に募集をつのり、採用された生徒にはきちんと報酬を与えるようなプロジェクトも多くあります。

その他、版画・染色・彫刻・陶芸などひたすら手を動かして作業を進めていくものは、各フロアにあるスタジオで黙々とプロジェクトをこなします。通常1セメスター(1学期が約4ケ月)の中で出されるプロジェクトは7-8回。そのたびに新しい技法を学びながら作品の制作に励みます。通常授業内で制作が完了する場合はほとんど無く、締め切り間際になると、夜中にだんだんとスタジオにこもる生徒数が増えてきて、最終日などが他の専攻と重なると2-3日平気で泊まっている人も珍しくありません。


■学校内外の交流
ともかくアメリカの大学は実社会で役に立つような教え方をするので、地元の企業や地元社会と密接に関係しています。例えば、大学近所の画材店が集まっての共同公募展が年に1回開かれます。もちろん賞金も出るので参加する学生も多く、出展作品は大学構内の美術館に作品が展示されるというメリットもありかなり盛り上がります。例え入賞はしなくとも、無料で作品を発表でき、他人に見てもらえる機会ができるという意味では大変意味のある公募展です。また、地元に密着しているので、地元のカフェが新たらしいロゴキャラクターを探していて、ちょうどそれに合う作品を見つけた場合は、直接その作家と交渉してその権利等も含め購入することができます。もちろん大学には学生にはまだ難しい交渉や、契約等に相談に乗ってくれる窓口もあります。

教授人も実際アーティストとして活動している人が多く、地元のギャラリーを中心によく教授たちの個展やグループ展が開かれていました。プロジェクトの締め切り間際になると、教授たちも頻繁に生徒の様子を見に大学に足を運ばなければならず、その時間が持ったえないということで、私たちに混じって自分の作品を制作していました。そんなやり取りのなかで、どのギャラリーがどんな作家を探しているだとか、今度こんな公募展があるだとか、様々な情報交換の場ともなるのです。

posted by takita at 21:11| Comment(1) | TrackBack(0) | school | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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